心療内科の歴史について

約2400年前にギリシャの哲学者であるプラトンが人間の病気について心の面の重要性を語り、当時の医者たちが心の面を疎かにし、人の病気を体の面だけで考えていることを警告しました。しかし、ルネッサンス後に自然科学が発達し19世紀にドイツの細菌学者が病気の原因として細菌を発見してからは、さらにすべてを唯物論的に考えるようになったのです。心の面は影を潜めて邪道とされ、プラトンの警告が著しくなりました。人間の体の病気は心の面を忘れて治療できるものではなく心と体を含めた治療が重要とされ、心療内科の必要性が認識されたのです。他の診療科に比べて心療内科は比較的新しく、日本では約50年前に初めて大学病院に心療内科が創設されました。

心療内科はどんな診療科?

心療内科は心身症を主な対象疾患とし、心理療法を併用して診察や治療をおこなう科です。名称にも含まれているように、内科の一部門です。心身症とは独立したひとつの病気ではなく、日常生活において仕事や人間関係などの社会的なストレスによって機能的な障害を伴った疾患群をいいます。例えば、過敏性腸症候群や機能性ディスペプシア、疼痛性障害などです。心療内科では身体的な治療のほかに、十分な医療面接や心理テストなども用いて心理的・社会的な因子のアセスメントもおこないます。心理的・社会的な因子とは人の性格や行動パターン、家庭環境などです。心療内科は体に出た症状だけを診察・治療するのではなく、心理面や社会面なども含めてアプローチをしていく診療科です。